Apophis. lens, align., 12 Jul 2019 その肌は波立つことのない漆黒の海のようだった。見果てぬ弧で夜を2つに分ち、月の暈を纏いながらいよいよ彼の岸に泳ぎ渡らんとする者を拒んでいる。この水底は劫火よりも微温い熱を持ち、かつて亡骸であった星が、無数の裂け目に音も無く律動している。樹々のように目を塞ぎ…